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納税猶予税額の免除事由の追加

Ⅲ 適用関係

1   納税猶予税額の免除事由の追加

⑴ 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及 び免除

① 経営贈与承継期間後に特例受贈非上場株式 等の贈与をした場合

 経営贈与承継期間の末日の翌日以後に、経 営承継受贈者が特例受贈非上場株式等につい て贈与(その特例受贈非上場株式等について 受贈者が贈与税の納税猶予の適用を受ける場 合における贈与に限ります。)をした場合に は、猶予中贈与税額のうち、その特例受贈非 上場株式等で贈与税の納税猶予の適用に係る ものに対応する部分の金額に相当する贈与税 は免除されることとされました。なお、免除 の際、提出することとされている免除届出書 は、その贈与に係る贈与税の申告期限から 6 か月を経過する日までに提出しなければなり ません(措法70の 7 ⑯三)。

(注 1 ) 免除される贈与税は、以下の算式によ り計算します。計算した金額に100円未満 の端数があるとき、又はその全額が100円 未満であるときは、端数金額又はその全 額を切り捨てます(新措令40の 8 )。

その贈与 の直前に おける猶 予中贈与 税額

×

その贈与をした特例受贈非 上場株式等の数又は金額 その贈与の直前における特 例受贈非上場株式等の数又 は金額

(注 2 ) 免除届出書の記載事項は、次のとおり です(措規23の 9 )。

イ 届出書の提出者の氏名及び住所 ロ 認定贈与承継会社の商号

ハ 贈与税の免除を受けようとする旨、

免除する贈与税の額及びその計算の明 細

ニ 贈与により特例受贈非上場株式等の 取得をした者の氏名及び住所

※ 平成28年 1 月 1 日からは、上記のほ か、提出者の個人番号を記載する必要 があります。

② 経営贈与承継期間内にやむを得ない事由に より代表権を有しなくなった場合において特 例受贈非上場株式等の贈与をしたとき  経営贈与承継期間内に経営承継受贈者がそ の有する特例受贈非上場株式等に係る認定贈 与承継会社の代表権を有しないこととなった 場合(やむを得ない理由がある場合に限りま す。)において、その有しないこととなった 日以後に、その経営承継受贈者が特例受贈非 上場株式等について贈与(その特例受贈非上 場株式等について受贈者が贈与税の納税猶予 の適用を受ける場合における贈与に限りま す。)をしたときは、猶予中贈与税額のうち、

その特例受贈非上場株式等で贈与税の納税猶 予の適用に係るものに対応する部分の金額に 相当する贈与税は免除されることとされまし た。免除届出書の提出期限については、上記

①と同様です(措法70の 7 ⑯三)。

(注 1 ) 「やむを得ない理由」とは、経営承継受 贈者が次に掲げる事由のいずれかに該当 することとなったこととされています(措 規23の 9 ⑮)。

イ 精神保健及び精神障害者福祉に関す る法律の規定により精神障害者保健福 祉手帳(障害等級が 1 級である者とし て記載されているものに限ります。)の 交付を受けたこと

ロ 身体障害者福祉法の規定により身体 障害者手帳(身体上の障害の程度が 1 級又は 2 級である者として記載されて いるものに限ります。)の交付を受けた こと

ハ 介護保険法の規定による要介護認定

(要介護状態区分が要介護 5 に該当する ものに限ります。)を受けたこと

(注 2 ) 免除される贈与税の額の計算及び免除 届出書の記載事項は、上記①の(注 1 )、

(注 2 )のとおりです。

 また、現行制度では、特例受贈非上場株式 等について、経営贈与承継期間内であれば一 部を贈与した場合であっても、全ての猶予中 贈与税額に相当する贈与税についての納税の 猶予に係る期限が到来することとなりますが、

このやむを得ない理由により代表権を有しな くなった場合にした特例受贈非上場株式等の 贈与については、猶予中贈与税額のうち、そ の贈与をした特例受贈非上場株式等に対応す る部分の金額に相当する贈与税について納税 の猶予に係る期限が到来するように改められ ました(措法70の 7 ④五、⑤)。

 同様に、以下の場合についても全ての猶予 中贈与税額に相当する贈与税についての納税

の猶予に係る期限が到来することとなります が、この経営贈与承継期間内のやむを得ない 事由により代表権を有しなくなった場合にし た特例受贈非上場株式等の贈与の結果、これ らの場合に該当する場合には、納税の猶予に 係る期限は到来しないこととされました(措 法70の 7 ④三、四)。

イ 経営承継受贈者及びその経営承継受贈者 の同族関係者等の有する議決権の数(認定 贈与承継会社に係るものに限ります。)の 合計が、その認定贈与承継会社に係る総株 主等議決権数の100分の50を下回ることと なった場合

ロ 経営承継受贈者の同族関係者等のうちい ずれかの者が、その経営承継受贈者が有す る認定贈与承継会社の非上場株式等に係る 議決権の数を超える数の議決権を有するこ ととなった場合

5 年間(経営贈与承継期間)

経産大臣の認定

・会社、後継者に 関する要件の判定

事業の継続

(要件)

・代表者であること

・株式等の保有継続

・雇用の 8 割維持( 5 年間平均)

       等

株式等の保有継続等

要件を満たさなくなった場合

第 4 項 各号 猶予税額全部の

猶予期限が到来 猶予税額一部の

猶予期限が到来 猶予税額全部又は一部の

猶予期限が到来 猶予税額全部の 猶予期限が到来

後継者への贈与の場合 には、一定部分の

猶予税額の免除

(第16項第 3 号)

納付 納付 納付 免除

第16項第 2 号

後継者への贈与の場合 には、一定部分の

猶予税額の免除

(第16項第 3 号)

第 5 項 第 6 項 第 1 項

【改正後】

心身障害により 代表権を喪矢 した場合の 後継者への 贈与を追加

【改正後】

心身障害により 代表権を喪矢

した場合の 後継者への 贈与を除く

株式等を譲渡等した場合

贈 

  与

  告   期   限

贈与者の死亡

【改正後】 【改正後】

非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の猶予期限と免除

⑵ 非上場株式等についての相続税の納税猶予及 び免除

 相続税の納税猶予制度については、現行制度 においても、この制度の適用を受ける経営承継 相続人等が経営承継期間の末日の翌日以後に特 例非上場株式等につき贈与税の納税猶予制度

(措法70の 7 ①)の適用に係る贈与をした場合 には、猶予中相続税額のうち、その贈与税の納 税猶予制度の適用を受ける非上場株式等に対応 する部分の相続税額は免除される制度となって います。したがって、今般の改正においては、

上記⑴②に相当する改正が以下のとおり行われ ました。

 経営承継期間内に経営承継相続人等がその有 する特例非上場株式等に係る認定承継会社の代 表権を有しないこととなった場合(やむを得な い理由がある場合に限ります。)において、そ の有しないこととなった日以後に、その経営承 継相続人等が特例非上場株式等について贈与

(その特例非上場株式等について受贈者が贈与 税の納税猶予の適用を受ける場合における贈与 に限ります。)をしたときは、猶予中相続税額 のうち、その特例非上場株式等で贈与税の納税 猶予の適用に係るものに対応する部分の金額に 相当する相続税は免除されることとされました。

なお、免除の際、提出することとされている免 除届出書は、その贈与に係る贈与税の申告期限 から 6か月を経過する日までに提出しなければ なりません(措法70の 7 の 2 ⑯二)。

(注 1 ) 「やむを得ない理由」は、上記⑴②(注 1 )と同じです(措規23の10⑬)。

(注 2 ) 免除される相続税は、以下の算式により 計算します。計算した金額に100円未満の端 数があるとき、又はその全額が100円未満で あるときは、端数金額又はその全額を切り 捨てます(措令40の 8 の 2 )。

その贈与 の直前に おける猶 予中相続 税額

×

その贈与をした特例非上場 株式等の数又は金額 その贈与の直前における特 例非上場株式等の数又は金 額

(注 3 ) 免除届出書の記載事項は、次のとおりで す(措規23の10二)。

イ 届出書の提出者の氏名及び住所 ロ 認定承継会社の商号

ハ 相続税の免除を受けようとする旨、免 除する相続税の額及びその計算の明細 ニ 贈与により特例非上場株式等の取得を

した者の氏名及び住所

※ 平成28年 1 月 1 日からは、上記のほか、

提出者の個人番号を記載する必要があり ます。

 また、現行制度では、特例非上場株式等につ いて、経営承継期間内であれば一部を贈与した 場合であっても、全ての猶予中相続税額に相当 する相続税について納税の猶予に係る期限が到 来することとなりますが、このやむを得ない事 由により代表権を有しなくなった場合にした特 例非上場株式等の贈与については、猶予中相続 税額のうち、その贈与をした特例非上場株式等 に対応する部分の金額に相当する相続税につい てのみ納税の猶予に係る期限が到来するように 改められました(措法70の 7 の 2 ③五、④)。

 同様に、以下の場合についても全ての猶予中 相続税額に相当する相続税について納税の猶予 に係る期限が到来することとなりますが、この 経営承継期間内のやむを得ない事由により代表 権を有しなくなった場合にした特例非上場株式 等の贈与の結果、これらの場合に該当する場合 には、納税の猶予に係る期限は到来しないこと とされました(措法70の 7 の 2 ③三、四)。

イ 経営承継相続人及びその経営承継相続人の 同族関係者等の有する議決権の数(認定承継 会社に係るものに限ります。)の合計が、そ の認定承継会社に係る総株主等議決権数の 100分の50を下回ることとなった場合 ロ 経営承継相続人の同族関係者等のうちいず

れかの者が、その経営承継相続人が有する認 定承継会社の非上場株式等に係る議決権の数 を超える数の議決権を有することとなった場 合